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  • 一番人気、ワイヤー放電加工歴が長いベテランも思わず目からウロコ
  • 熟練者向け、ワイヤー放電加工の将来像と具体的な課題

ジョーンズ

お父さん

何だか君らしくて暗い部屋だね。

どうも昔から明るいと落ち着かないのだよ。

ところで・・・
(1)高精度化、微細化について
*精度1μm以上。研削加工を超える精度が将来可能なのか?
*微細加工に必要な、φ0.1以下の小径下孔加工は急速に進歩するのか?
という点について君はどう考えるかな?

フム。真っ先にこの質問が来るとはさすがだ。
これらは基本的にME(マイクロエレクトロニクス)革命と言われる時代の中で、特に微細加工を必要とするIC産業が、金型製作に何をどこまで要求するかにかかっているだろう。
研削加工を超える精度については、研削加工精度の分野が従来のサブミクロンオーダーの精度から、ナノ・メータの世界に進んでいるので、放電加工の精度は追いつかないと思う。
だから当面のワイヤー加工の目標は高さが50mm程度で1μmの精度が保証できるようになれば、従来の精密研削加工と比べても遜色ないといえるだろう。
ということは機械メーカーとしては実質サブミクロンオーダーの精度が出せていなければ、精度を保証しますというわけにはいかないだろうな。
しかしワイヤー放電加工は、言うなればワイヤー線と云う細くて柔軟な工具を使っているわけで、ワイヤー線そのものの振動もあるのでこの精度のハードルは高いと思う。
小径孔加工機については、現在はワイヤー線はφ0.02の細い線もあるのだが、その下孔のための径はφ0.1以下で、しかも直径に対する孔深さ(L/D)が30以上(φ0.1の孔径なら深さ3mm)の深孔が必要になるだろう。
その小径孔を早く安く、しかも深く空けるのは大変だ。
今はまだ小径孔加工機がワイヤー放電加工機より高いような機械もある始末だ。
小径孔加工機械は各メーカーで出揃ってきているので、今後機械は安くはなってくるだろう。だが要求は常に果てしないので、さらに小さい孔径も求められてくるだろう。
現状のφ0.1程度から孔径をさらに0.01づつ小さくしていくには、2次曲線的な難しさが出てくるだろう。
現在は研究レベルでは深孔だとφ0.03前後のレベルにあると思う。
そして実際にワイヤー加工をするということは、その孔にワイヤー線を通さなければならないのだから、その難しさと面倒さが想像できるだろう。

ほう。では
(2)高速化についてこの先、高速化はどこまで進むのか?

うむ。
一部では300平方mm/分つまり60mmの板厚で5mm/分のスピードという数字も出ている。この実際の加工条件は詳しくは分からないが単に早く切るだけの、いわゆるチャンピオンデータだろうと思う。
でもこれは通常の2倍以上に相当するスピードだ。このように新しい電源回路が開発されたりして、さらに高速化の進む可能性はあるだろう。
でもこれからは今までのようにある時突然のように、数倍も速くなるというような目覚しい進歩は難しいだろう。
又、付帯設備の自動結線装置も結線時間が10秒台という速いものも出てきている。しかし一般のワイヤー加工では余りその効果がないのではないか。
君も「機械の構造」のところで言っているように、ワイヤー加工では速さより確実性だろう。仮に10秒で結線出来る能力があっても、1カ所通らなければ10時間以上も機械が止まってしまうこともあるわけだから・・・。
? どこかのメーカーで、もし下孔がしっかりと通っていなかったら、自分で孔を10秒ぐらいで明けて、すぐにワイヤーを通してくれるような機能の機械を作れば別だがね。
ただ、このような加工の高速化は加工代の低価格化に結び付いているので、加工屋さんにとっては痛し痒しなところもあるわけだ。

さすがだな。では最後に
(3)自動化について
*完全無人の長時間可動はどこまで可能か?
*そのためのロボットやリモート操作はどのぐらい進んでいるのか?

やはりそう来るか。
ワイヤーの高速化が進んだことによってフライス加工等で行なわれていた量産部品を、切削加工から電気加工に置き替えてワイヤー加工化するというようなことも、一部では行なわれている。
これは材料を最初に熱処理してしまい後工程を研削と放電加工だけで完成させてしまう考え方だ。10台以上の機械を初期セッティング作業以外は、ロボットなども使い全くの無人なので明かりもいらないわけで、昼間でも真っ暗な工場の中で機械だけが動かせておくというようなことが可能だ。
もしワイヤーリールの自動交換供給装置があれば理屈の上では、最長は機械のメンテナンスサイクルまでは動かせ続けられることになる。でもこういう量産加工は君のミクロ技研ではやらない加工の分野だと思う。
又最近の著しい通信技術の発達で機械可動状態を電話や無線を使って,外部から監視したりリモート操作をするシステムなどもあるようだ。
従来はノイズ等の影響を受けたりして誤信号が出たりするということも聞いているけど、これが安定して機械の可動状態を遠隔モニター化出来れば助かる事もあるな。
ただ精密な小物の単品加工や、多種少量の加工という場合では加工時間そのものは短いこともあるので、リモート操作というレベルの自動化がどこまで有効なのかは疑問だと思うね。

流石だな!ありがとう参考になったよ。やはり昔と変わらずワイヤー放電加工への情熱は変わらないようだな!

君こそ!良い息子を育てたな!若い世代が次の時代を築く。その為の技術継承はもうできたんじゃないか?

まだまだ!確かに知識は身についているようだが、現場にも立っていないからな。
ただ、身に付けた知識とこれからの経験でまた新しい技術が生まれることは間違いない。息子たちが新しい時代を開いてくれることを切に願っているよ。

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